【ジャンダルム越えと前穂北尾根   10/510/8

 

10/5:新宿7時発高速バス−松本1012/1050発電車−新島々1120/1130発バス−上高地1230

    1300出発−西穂山荘1600到着(幕営500円)

10/6400起床−530西穂山荘出発−630独漂着−700ピラミッドピーク着−745西穂高山頂着−

    1220ジャンダルム着−1400奥穂高山頂着−穂高岳山荘(素泊まり 6000円)

10/7400起床−500 山荘テラス前−600 山荘出発−奥穂高山頂−山荘着−涸沢ヒュッテ−

    海輪さんと合流−5・6コル

10/8400起床−600幕営地出発−700涸沢ヒュッテ着−上高地−竜島温泉

 

一昨年、単独で燕岳から槍・キレット越えして奥穂に行った時、ジャンダルムを抜ける予定だった。

あいにく雨の為、安全を考え吊尾根から岳沢で上高地に下山。あれから、ずっと気になっていたジャンダルム。

去年・今年と夏はワイワイと沢登り連ちゃんで、単独縦走もご無沙汰。

涸沢の紅葉にいい時期だし、7-8日の前穂北尾根の前にジャンダルムを歩こうと考え、

2日前まで天候の様子待ちをして、松本までの高速バスを無事予約した。

さわやか信州号はなぜか木曜日の夜発は満員で、金曜日は空いていた。

 

前穂北尾根用の登攀道具・クライミングシューズがある為、課題は軽量化。

今まで単独でテント泊は何度も経験あるが、ツェルト泊経験はない。一度だけ使用したことがあるが、それは雪洞のドアとして。えっと、えっとツェルトを自立させるには?ポールが必要だ!慌ててポールを購入。

 

上高地から西穂山荘への登山道は初めてである。前後に誰も歩いている人はいない。

新穂高温泉からロープウェイも考えたが観光客で混んでそうだし、翌日のジャンダルム歩きを考えて3時間馴らし歩きをしよう。焼岳との登山道合流手前で単独のオジさんに追いつく。

 

西穂山荘前のテント場にはテントが2張りだけ。あれっ?大混雑を想定していただけに拍子抜け。

石がゴロゴロしていたので、無事初めてツェルトを張る。う〜ん。狭いなぁ〜。すきまがあるなぁ〜。

軽量化でエアマットは省略だし夏シェラフだったので、夜は少し寒かった。

夜は満天の星空。よし!明日はジャンダルムに行くゼィ!

 

朝、気合を入れて3時に起きるが、テントの人も小屋も気配なし。あれ?早すぎたか・・・。

コーヒーを飲みながらうだうだ。4時に食事を取り準備を始める。ようやく周りも起きてきたようだ。

独漂までは暗くてもヘッ電で歩けると思っていたが、出発時は既に薄明るい。

同じくジャンダルム越え予定の二人パーティが3組。

 

さぁ、いよいよだ!前穂北尾根用のヘルメットだけど先行者がいると落石があるとの情報なので、

念の為ここからヘルメットを被る。ゴールデンウィークの残雪時に懸垂して間の岳で幕営したが、その時通った岩場はわかった。ルートファイディングにあまり自信がなかったので西穂奥穂縦走が心配だったが、写真が豊富な人のHPで白丸や矢印のペイントを見て少し安心した。丁寧にも要所では文字までペイントが確認できた。

 

ちょうど少し前に先行者がいて、目は彼らの姿を捉える。間ノ岳頂上には「間ノ岳」とペイントされていた。

天狗岳へと登る逆層スラブは鎖が付いていてためらうことなくゴボウ登りしたら、簡単だった。

やはり下りの方が緊張する。足場のないところにはよぉ〜く見るとボルトが打ってあった。

 

フト振り返ると、ヘリが飛んできた。

さっき通ってきたところの稜線ギリギリで、ホバリングしている。

「えっ?滑落事故?」しばらく様子を見る。ヘリから人が降りたように見える。

そして処理対応の間はヘリは時間潰しに2度旋回して又、現場に戻ってきた。

 

「気をつけよう・・・・」と再度気を引き締める。

 

ジャンダルムには西穂側から登るが、「オクホ」「ジャン」と矢印ペイントがある。

ジャンダルム頂上への登りも2ルートあり、白丸ペイントの分岐近くの鎖と黄色ペイントの飛騨側トラバースルート。鎖よりトラバースルートが安全との情報だったが、実際鎖ルートはちょっと斜上クラックぽいルートで嫌らしい。

 

ようやく念願のジャンダルム頂上へと辿り着く。ずっと姿を追っていた夫婦がくつろいでいた。

奥穂高山頂にわさわさ登山者の姿が見える。

「あ〜、ようやくここまで来た。」遠い道のりだった気がする。

奥穂高が見えたことでようやく抜けれるという実感が出てくる。

 

前後しながら一緒ぐらいで歩いていたオジさん二人と、「お疲れぇ〜」とがっちり握手する。

彼らはハーネスを装着してシュリンゲを数本ぶら下げていた。

先頭を歩くリーダーらしきオジさんは、奥穂から西穂の逆ルート経験者で 

“西穂からのルートの方が歩く登りが多く体力的にハードで、垂直の岩場は下りになるので難しい”とのこと。

「ここまできたらもう大丈夫。すぐだよ」とオジさんはいうが、次のロバの耳がなんだか難しそうにも見える。

 

実際、下りがなんだか緊張した。

馬の背のナイフリッジを慎重に通過し、奥穂高山頂からジャンダルムの姿を見たときには、

「ヤッター。ジャンダルムを越えたぁ〜」感激して涙が出そうになった。

3度目にして初めて奥穂山頂から景色が見れました。

ここから穂高岳山荘へはヘルメットを脱ぎ、他の登山者と一緒にだらだら歩きながら、

次の目標「前穂北尾根」を凝視する。5・6のコルから5・4・3峰。

明日はあそこを行くのだ!

 

ジャンダルムは単独だったのでものすごく不安だったが、前穂北尾根は海輪さんと一緒だから精神的には安心。

一応奥穂でも幕営もできるが、西穂で寒かったし北尾根の為に休養しようと山荘に素泊まりする。

女性部屋は1つの布団に二人で、枕と毛布が一人ずつ。

二人しかまだ到着していない。おっ?もしかして一人で1つの布団にのびのびと寝れるか?

 

コーヒーを作っている脇の受付には、たった今到着の登山者達の行列。

そのうち、ヘルメットにハーネス・ガチャ姿のレスキュー隊員が出動態勢。

外を見ると奥穂高山頂方面を見ている登山者達。

誰か滑落したらしいが大したことなかったようですぐに隊員は戻ってきた。

 

そのまま、カレーピラフを作って夕食とする。小屋食は4回転ぐらいしていた。

ジャンダルムでのオジさん二人と北鎌尾根の話しで盛り上がりながら宴会に突入する。

結局部屋は満員にはならず、3つ布団6人使用は4人使用となった。

 

朝、4時起きするが、外は風が強いし寒い。

小屋泊の登山者はほぼ全員起きて、バタバタ準備している。

日の出を奥穂高山頂で見ようかなぁ〜なんて思っていたが、寒いので止める。

山荘前のテラスで日の出を見て、売店でパンを買いコーヒーでまったりと朝食にする。

 

隣で寝ていた単独の女の子と一緒に、奥穂高山頂へ向かう。

上り口すぐに血痕がある。どうやら昨日のレスキュー騒ぎの結果のようだ。

山頂で写真を撮りあい、登ってくる人と降りる人とで山荘へ下山路は渋滞する。

 

山荘で余った朝食用弁当を売っていたので、それを食べ涸沢ヒュッテまで下山する。

予定では海輪さんは今朝、沢渡から出発だから、お昼前ぐらいの到着だろうとのんびり下山してきたら

ヒュッテにはすでに待ちわびた海輪さんの姿があった。

水などの準備して、5・6コルへと向かう。途中の大岩に「5・6コル」の文字案内。

 

急斜面を登るとようやくコル。確かに幕営できるスペースはあるが、風が強い。

テントならまだしもツェルトなので、反対の奥又白池側にテントを張るスペースはないか探したがなかった。

奥又白池にはテントが2張りあり、「お〜い!」の呼びかけにこちらも答える。

 

あきらめ、張り綱をゴロゴロころがっている石で固定した。とにかく風が強くツェルトが壊れないか心配。

小さい石だと動いてしまい、ポールが斜めになってしまう。二人居住性を優先して床を広げた為に天井が低くなり、座ると首を曲げる態勢で疲れるのでごろり横になる。

夜中、ポツポツと雨の音!「あー。雨かぁ・・・・」

そのまま降り続き朝は雨。前穂北尾根は中止となり、再び涸沢へと下山となる。

上部は急斜面・ガレ・砂利道の為、滑落を意識して緊張し慎重に下山する。

 

涸沢から本谷橋までは途中、登ってくる人とのすれ違いの為渋滞する。

橋からは多少人もばらけるが、横尾から上高地の間の道が部分的に川のようになる。

もう靴が一度濡れてしまうと気にならなくなり、二人ともジャブジャブ川を突破する。

 

こうして私の北アルプス登攀は7月末の明神主稜・北穂東稜に引き続き、前穂北尾根も中止となったのである。