南アルプス:仙丈岳-甲斐駒ケ岳  山行報告書(柴笛クラブ)

 

単独:倉田

区分:個人山行 目的:仙丈岳・甲斐駒ケ岳縦走 形態:縦走

当日発:07/31〜08/02

コース:広河原->両俣小屋->仙塩尾根->仙丈岳->北沢峠->仙水峠->甲斐駒ヶ岳->横川

報告日:08/06

 

コース詳細:

7月31日 広河原(12:20)-(バス)->野呂川出合(12:35)->両俣小屋(15:00)

        8月1日 両俣小屋(5:50)->野呂川越(6:35)->仙丈岳(13:00)->北沢長衛小屋(15:30)

        8月2日  北沢長衛小屋(4:15)->仙水峠(5:10)->摩利支天経由駒ケ岳(9:10)

->七丈小屋(11:00) ->横手(16:00)

 

昨夏、肩を痛め「五十肩」と診断されて以来、治療とダイエットのため毎週 三浦半島の200m級の山々をクロスカントリーもどきで走りまわっていた。途中、ハンディーGPSなどという玩具も買い込み、自分の辿った跡を眺めるのが面白くなって、病み付きになってしまった。さすが半年もたつと、ほとんど行きつくした観があり、子供が少し大きくなったという理由をつけて家族を納得させ、4月からもう少し高い山の登山を始める。

 

丹沢、奥秩父、雲取、八ヶ岳と行き、今回初めて3000m超へトライ。1987年に一度、北岳から大門沢に降るコース歩いて以来の南アルプス。今年の目標は、塩見岳。その前に是非歩いておかなければならないと思っていたのが、仙丈ケ岳と甲斐駒。2泊3日のテント泊で両山へ登るのはこのコースしかないと計画していたが、柴笛入会と相前後した形での登山となった。

 

7月31日 曇り時々晴れ。

早朝、横須賀を発ち、甲府からバスで広河原へ(11:30)。北沢峠行きのバスまで1時間近くある。「野呂川出合」まで歩こうかなとも思ったが、2時間近くかかるらしいので、結局バスで行くことにした。野呂川出合でバスを降り、野呂川沿いの林道を両俣小屋に向かって歩き出す。

途中、いくつか沢を越える。仙丈ケ岳から続く沢で、明日はこの沢の上に行くぞ、と思いながらの道中だった。2時間少々で両俣小屋に到着。小屋の管理人は女性で、猫がやたらいた。夜、少し雨。

 

8月1日 曇り。

5:50 小屋に挨拶して出発すると、管理人が追いかけてきて「どっちへ行きます?」と聞かれて、「仙丈」と答えると、「こっち、こっち」と歩く方向と90度違った方向を示された。確かに、行こうとした方向には「北岳」とかかれているが、途中分岐があるのだろうと思い込んでいたので、「仙丈」の標識があるのをすっかり見落としていた。

歩き出して10分ぐらいで急坂に到着。6:35野呂川越。先に出発していた夫婦連れに追いつく。塩見岳から荒川岳に4泊予定で行くらしい。

ここから、仙塩尾根を仙丈ケ岳に向かう。森林限界を超えたハイマツの尾根を想像していたが、いくら行っても樹林帯の中。7:20 横川岳、8:40 伊那荒倉岳。

10:00頃やっとハイマツの尾根。途中、何箇所かで北岳、甲斐駒など姿を見せてくれたが、見通しのよい場所に来ると、雲がかかって眺望はまったく駄目だ。ただ、仙丈ケ岳のカールは綺麗に見える。雄大、雄大。

しばらく行くと、どうもルートが無いことに気づく。尾根道で迷う場所も無いはずだが・・・。尾根の頂部に登ると反対側にちゃんとしたルートがあった。強引にハイマツを掻き分け、正規ルートにたどり着く。地図をよく見ると、確かに尾根の東側が登山道になっていた。

11:15 大仙丈ケ岳。12:00 仙丈ケ岳、ここで昼食。先着の人たちが出発したあと、ハイマツの間からイタチのような茶色の小さな動物が出現した。カメラを取り出そうとした音に気づいて、逃げてしまった。北沢峠で知ったが、「オコジョ」という動物らしい。

カールを巻くようにして小仙丈(13:10)へ、すぐに樹林帯の中に入りひたすら北沢峠へ向かう。途中、何回か雨がぱらつくが雨具を出すほどではない。

明日のことを考え、仙水小屋まで足を伸ばそうとしたが、テント場を見てあきらめてしまった。15:30 北沢長衛小屋テント場到着。仙丈ケ岳の周りを除いて、蒸し暑い1日だった。

 

8月2日 晴れ。下りの長丁場を考え、1時間予定を繰り上げる。

3:15 起床。4:15出発。ヘッドランプによる歩行。4:40 仙水小屋。仙水峠に向かう途中、明るくなる。5:15 仙水峠。摩利支天、仙丈ケ岳、鳳凰三山がよく見える。

6:45 駒津峰。北岳も見えるようになった。7:40 いくつかの岩を越えて行くと、直進(実際は上向き矢印)「直登」 + 右矢印 のマーク。今朝は調子がいいので直登を選択。結構な岩場。20kgの荷物を抱えての登りには多少無理があった。途中、分岐道らしきものがあったので覗いて見ると、甲斐駒山頂から摩利支天へ続く道が見える。花崗岩の風化したザラザラの急斜面をトラバースしなければ行けないが、足跡がいくつかあるのでついてゆく。15分ほどでちゃんとしたルートに到着。下からどんどん人が上がって来るので、地図を見ると先ほど直登を選択した分岐を右に行くのが予定のコース。結構、危ないトラバースだったと気づく。

まずは、摩利支天へ行く。花崗岩の風化した道はすべって危ない。直前の岩場に荷物を置き、小さなバックのみで摩利支天へ。8:40 摩利支天 だれもいない。引き返し、甲斐駒頂上へ(9:10)。

あとは、ひたすら下り。一気に2000m超を下るのは気が重い。60分ほどで樹林帯へ。11:00 七丈小屋、昼食。すぐに梯子や鎖場が続く。取り替えたばかりの梯子もあるが、崩れそうなものもかなりあった。数名の登山者に出会う。朝一番で登り始めると、ちょうどこんなところで、すれ違うのか?こちら側から登るのは大変そうだ。

14:00 白州・横川分岐。白州方面登山道一部崩壊の標識。15:40横川駒ヶ岳神社。16:00横川バス停。

バス時刻まであと30分。予定を繰り上げて出発してよかった。登りはがんばれば時間短縮できるが、重い荷物を抱えての下りはきつい。テーピングしていたにもかかわらず、いくつかまめをつぶしてしまった。

いつも下山してから思うが、「ひとつ間違えば・・・・」。

 (以上)


(追記)

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単独行だと、カメラを持っていっても風景写真ばかりでおもしろくない。

時たまセルフタイマーで自分を写すが、結構面倒だ。

 

「すいません、写真撮ってくれますか?」

「いいですよ、いいですよ。何をバックにしますか?」

「北岳バックでお願いします。デジカメなのでシャッターをしばらく押してください。」

・・・

「撮れています?」

「大丈夫だと思います。2回撮ったと思います。確認してください。」

「デジカメなので、何枚撮ってもOKです。ありがとうございました。」

 

同じ単独行の彼に何とはなしに親しみを感じて、写真を撮ってもらおうと思った。

 

出発を1日繰り上げ、当日の出立を1時間早めたという、

仔細な出来事の積み重ねの小さな接点。

 

そんな接点の存在を、たまに気づくことがある。

 

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甲斐駒で遭難があったらしい。

亡くなられた方の、ご冥福をお祈りします。